経絡治療について

経絡治療(けいらくちりょう)とは?

まず、川の流れを想像してみて下さい。その川を「経絡」、川の所々に突き出している岩を「経穴(=ツボ)と考えて下さい。人間の身体には十二本の経絡(正経)が循(めぐ)っており、それらのバランスが崩れ衛(まも)りが傷(やぶ)られる事によって病気が起こると言うのが東洋医学の病理観です。同じ様に食中毒やウィルスに感染したとしても、発症する人としない人がおります。これはその人の持っている免疫力・体力などの違いによって起こる訳ですが、この様な感染しても発症しない抵抗力の強い身体をつくる事が可能なのが、この経絡治療です。当院では手足の重要なツボを使って全身の治癒力・免疫力・生命力を強化し向上させ、更に症状の出ている部位を処置して体質改善に導く根本治療を目標としております。

脈診流(みゃくしんりゅう)とは?

中国の古典医学書である『難経(なんぎょう)』には、手首の橈骨動脈で全身の経絡の状態が判断できると言う記述があります。左右の3本の指で脈を捉え、それらに配当されている臓腑経絡のバランスを診て整えるのが脈診の目的です。
当院ではこの脈診法を主体とし、伝統的な四診法(望・聞・問・切)を駆使して証(あかし)を決定し、病苦の除去に努めております。

治療の進め方と概要

初診 初めて来院された方は、問診表に記入して頂きます。
診察(望・聞・問診) 問診の後、男性は当院備え付けのズボンに、女性は治療衣に着替えて頂きます。ベットに仰臥位(仰向け)になって頂いて、お話を伺いながら進めて行きます。
診察(切診) 手足や首・肩などを切経(触診)します(皮膚の状態を診る)。
腹診をします(お腹の張りや硬軟・ツヤなどを診る)。
脈診をします。
診察(証決定) 以上の様な診察法での情報を判断し、証(治療法)を決定します。
治療 証が決定したら、まず全身調整のはりを手足のツボに行ないます(本治法)。側臥位(横向き)になって頂いて、首・肩などにはりを行ないます。伏臥位(うつ伏せ)になって頂いて、背中や腰・足などにはりやお灸を行ないます。(標治法)
治療 再び仰臥位になって頂いて、症状によっては更に刺絡・奇経治療などを行ないます(補助療法)。
最終チェック 最後にお腹や脈を診て最終チェックをします。
これで治療は終了ですが、ご本人の体質や症状・感受性などを考えて治療量(刺激量)を調整しますので、所要時間や治療内容には多少の違いが出てきます。目安としての治療時間は25分~30分ぐらいです。
治療を受けた日は激しい運動や熱いお風呂、
刺激物(お酒など)は出きるだけ控えて頂いた方がよろしいでしょう。
ご本人の体質や発症までの条件によって治癒までの期間は違ってきます。一般的に初診から2・3回は余り改善がみられない事もありますが、継続治療をしておりますと徐々に症状が軽くなって、段々と治癒に近づいて行きますので、諦めずに治療を続けて頂く事が大切になります。特に慢性疾患や難しい症状の場合は或る程度の時間が必要ですが、根気よく治療を積み重ねて行けば治癒させる事は可能ですから、私自身も「継続は力なり」と言う信念を持って皆様と共に病気と向き合って行きたいと考えております